帰る場所を、住める場所に。定年後、夫婦で選んだ”あの家”

このお話は、実際にあったリフォーム工事をモデルに、ストーリー仕立てでご紹介しています。
登場するご夫婦や描写は、フィクションとして再構成したものです。(写真は最下部)

▶︎ 【プロローグ】──「帰る決意」

定年が近づいたある日。彼はふと思った。
「そろそろ、帰ってもいいんじゃないか」
生まれ育った町。木造の校舎、風の抜ける田んぼ道、母の畳の匂い。
そんな風景を思い出しながら、奥様と一緒に、空家バンクで一軒の家に出会った。

▶︎ 【第1章】──「この家にしよう」

土地付きで、驚くほど手頃な価格。
けれども、床はぶかぶか、風呂はタイル張りでひんやり。
「でも、この家、いいと思う」
そう言ったのは奥様だった。
「少し手を入れれば、きっといい家になる」
彼はその言葉に背中を押された。

工事前の写真

▶︎ 【第2章】──「奥様のこだわり」

打ち合わせのたびに、彼は仕事を休んで、片道数時間かけて通った。
キッチンは、対面にするか迷ったが、壁付けに。
熱源はあえてガスのまま。磁石が付く壁にしたのは、奥様のアイデア。
「レシピを貼ったり、タイマー付けたり、便利なんですよ」
小さな工夫が、暮らしをやさしく変える。

工事中の写真

▶︎ 【第3章】──「ぬくもりの改修」

窓という窓が一枚ガラスだったこの家。冬の冷え込みは覚悟していた。
だから、二重ガラスの内窓をつけた。
お風呂は「ミナモワイド浴槽」。
湯面が静かにひろがる大きなバスタブに、肩までつかると自然と息が抜けた。
つめたいタイルの床はもうない。水はけの良い、柔らかい床材へ。
断熱リフォームと空家バンクの補助金。ふるさとに優しく迎えられたようだった。

▶︎ 【第4章】──「暮らしが、始まる」

和室の畳を替えた日、部屋に広がったい草の香りが、懐かしさを誘った。
1室は洋室に。洗面室には棚を付け、LDKは3部屋をつなげて広々と。
ゆがんだカーテンレールも交換され、クロスも床も貼り替えられた。
ただの空き家が、彼と奥様の「これから」を受け止める家になった。

▶︎ 【エピローグ】──「おかえりなさい」

風が吹き抜けるその家で、彼はふとつぶやく。
「ただいま」
家が、まるで答えるように静かにきしんだ。
「おかえりなさい」

工事後の写真

あとがき

もしあなたが、
「空き家をどうにかしたいな…」
「将来に向けて、住まいを整えておきたい」
そんなふうに思ったときは、ぜひ私たちにお声かけください。

このストーリーはフィクションですが、リフォームは現実にできます。
暮らしを少しずつ、でも確かに変えていくお手伝いを、私たちがいたします。